2000/07/01

ボーナスってなにさ?

#冷やしうどん(これは今食べたいもので、以下とは無関係です)

 7月なのだよ。公務員さまたちには、もうボーナス出たのですよ。つまり労働者の10人に1人はボーナスというものをもらったのであるな。

 ふむ。ボーナスというものをもらわなくなって9年になる。

 

 ボーナスの起源は別にして現実の意味といえば、労働者諸君への利益配分という意味じゃなくて、年収の浮動分、つまりエグイ言い方をすれば「削りしろ」というやつだな。有事の際にはボーナス0だかんね! でも、そんなこと滅多に起こらないし大丈夫だよ。なんて言ってたのは10年以上前だな。今じゃ有事起こりまくってて、あっちこっちでボーナスないだの、現物支給だのという話を聞くようになった。今年の夏はどうなんでしょ?

 まぁ経営者の多くは、美辞麗句をカッコよくのたまわく人種であって、実際はいつでも削れるためによせあつめているものを、利益を従業員にほどこしとして還元しているなんて本気で思っているヒトが多いのであるな。

 ボーナスはありがたいものだって言い分もボーナスは既得権であるという言い分もどっちも正確でなはいと思いますけどね。どっちかってと既得権ってほうが事実に近いのだよね。

 

 最近の怪しい言葉に「実力主義」「年俸制」なんてのがあるな。資本主義なのであって、競争が前提。できるヒトに配分を集中しようではないか! オレってカッコいいだろ! なんて言ってるのであるな・・・。もちろんできるヒトって判断はね、上司がするね。もうカッコよすぎて頭悪そうってのはこういうことなのだろうな。

 これって「ボーナス=削りしろ」って正常な翻訳に代入すればだよ・・・「給料=ほとんど削りしろ」ってことだよね。「年俸制」ってものは、どんなに考えても、経営者とはバカでも結構楽にやれる職業にするための制度ってことだよなぁ。

 こんなもの、ほんとに公平分配だと思ったり、テレビのバカアナリストの言う口当たりのいい「アメリカ=強い=正しい」的なおこちゃま言説の口車に乗ったらあきませんよ。

 ボクは決してコミュニズム賛歌してるんじゃないです。そんな短絡的な考え方じゃなくて、考えてみればわかるじゃないですか。

 いろいろなチェック機能も含めて上司が、部下の年俸に今まで以上に大きくかかわるってことはですね、どんなにうまくやっても、組織の硬直化を加速するに決まってるでしょ。つまり、年俸制の会社は急速に伸びるかもしれないけど、その後は急速に凋落するってことですよね。わからない? わからないかなぁ。

 配分ってものに過度にヒエラルキーの論理を持ち込むとね。戦争には負けたしさぁー。

 つまり、硬直化させないで「年俸制」を持続させる方法ってのは、ひとつしかないね。経営者の責任強化と経営者以外の人間の上下関係を完全になくすことだ。この前提がないと、どうやったってネズミ講みたいな組織になっちゃいますよ。

 しかし、大学受験を控えた子供がいる家庭と入社間もない新入を同じ条件であつかうの? 現実的じゃないでしょ。だって、プロ野球は18歳の選手と40歳の選手は基本的に同じ土俵だよ。そういうしんどいことやってなんとか維持してる組織じゃないですか? やるの? ほんとにやるの?

 だいたいね「みんなの給料はオレが稼いでみせる!」って理念もしくは気合いを持ってないもんが、組織なんかで働くなってんだよな。「隣のバカよりオレのほうが絶対働いているし、稼いでいる。だからこの給料は不公平だ」なんて四六時中考えてる人間は組織で仕事しないほうがよいよ。病気になっちゃうからね。そういう心理的なスキが「年俸制」なんてものを是とする風潮を作ってるとしか思えないなぁ。間違ってるかな? オレ。

 まぁ、そんなことより、ほんとにそろそろ会社やめませんか!ってんでい。